まず結論から言うと、
一歳で母乳(おっぱい)を無理にやめさせる必要はありません。
(無理に、というのがポイントです)
なぜなら、
母乳(おっぱい)は大人がやめさせるものではなく、子どもが自分の意思でやめるものだから
です。
とはいえ、おっぱいをあげ続けるのはお母さんも大変ですよね。
私の妻が今(2018年10月)まさに「いつまでおっぱいをあげればいいのか?」について悩んでいました。
そこで色々な論文や資料を見て、2つの答えが見えてきたのでこの記事にまとめることにした次第です。
その答えとは、
『無理にやめる必要はない』ということと、
『やめる時は子どもと決める』というこの2つでした。
この記事ではそもそもおっぱいがなぜ必要なのかについてや、断乳より卒乳がいい理由、そのやり方のコツなどをまとめました。
【どうして子どもにはおっぱいが必要?】
そもそも子どもはなぜおっぱいを欲しがるのでしょうか?
それは、
(1)体の栄養と(2)心の栄養を補給するためです。
(1)体の栄養
栄養たっぷりの母乳は赤ちゃんにとって最高の食事です。
しかし段々と母乳自体の栄養価は下がっていきます。
だから離乳食になり、そのうち普通の食べ物に自然とシフトしていくのは当然のことですね。
そういう意味では、母乳の体の栄養的意味は次第に薄くなります。
では何が大事か?
それは、心の栄養です。
(2)心の栄養
子どもにとって、おっぱいは精神を安定させる効果があります。
不安な時に母親のおっぱいを咥えることで、自分を落ち着かせることができるのです。
それほどまでに強力な精神安定剤が、子どもにとってのおっぱいなのです。
一歳ぐらいになってくると、子どもは体の栄養は食事で補えます。
しかし、心の栄養はそうはいきません。
そのため、心の栄養を補給するためにおっぱいを欲していることは多いです。
では、
そんな心の栄養を欲している時期に一方的に断乳をしてしまったらどうでしょうか?
そうなると、子どもは心の栄養が補給できなくなります。
すると不安を解消する方法がなくなり、子どもによっては誰が抱っこしても泣き続けるようになったり、食べ物をまともに口にしなくなったりします。
勿論個人差はありますが、
それは目に見えるか見えないかの違いでしかないように私は思います。
我慢して、その時は耐えられる子もいるでしょう。
しかし、誰にとっても心の栄養は必要なものなのです。
一方的な早期断乳が心のしこりになり、将来メンタル面で足を引っ張る…なんてことも充分に考えられます。
実際、現代人にはそういう人が多いと聞きました。
私は体育指導者として、年間3000人の子供たちに体育指導していますが、メンタル面に不安を抱えている子供は実際多いようにも感じます。
この記事で不安にさせたいわけではありませんが、
そういうケースも考えられる、という意味で参考になりましたら幸いです。
【医師に断乳しろと言われたら?】
中には10ヶ月程度で断乳してしまう人もいます。
医師や助産師に言われたから断乳した、という人もいるでしょう。
「次の子を授かって授乳していたら、流産の恐れがある」と助産師に言われたからとか、
「おっぱいは虫歯の元ですから、続けていると歯が溶けて大変なことになりますよ。」 とか、
「1歳を過ぎると、おっぱいに執着して止められなくなるよ」と言われたりとか、
色々あるようです。
虫歯に関しては添加物たっぷりのお菓子とおっぱいを一緒にあげてる人は、口の中で成分が結びつき虫歯になるリスクが高まるようですね。
そもそも添加物たっぷりのお菓子は子どもにとって良くありません(虫歯になるしお腹も壊す)から、これはおっぱい以前の問題なような気がします。
流産についての方が、私は心配でした。
うちの妻も「助産師に、妊娠中に母乳あげたら流産するよと言われた」と言っていました。
本当にそうなのでしょうか?
なんと、調べてみると流産に授乳は関係ないことがわかりました。
なぜなら、母乳をあげるとオキシトシンというホルモンが分泌されて子宮収縮が促されるのですが、そのホルモンは妊娠後期(産まれる直前)にしか効果がないものだからです。
病院によっては、
陣痛を誘発するために産まれる前に第一子におっぱいを沢山飲ませることもあるそうです。
そして妊娠中におっぱいをあげて流産したというデータはなくとも、妊娠中におっぱいをあげて無事出産したというデータは沢山あります。
何より、妊娠5回に1回は流産するというデータもありますから、流産するときはするし、しないときはしないというのが真実のようです。(1回もしないのが良いんですけどね…)
つまり、授乳を続けることによるリスクは実は根拠のないことの可能性が高いです。
むしろ近年の発達心理学では、10か月頃は母子関係にとって特に重要な時期だと言われています。
赤ちゃんにだって様々な感情があります。
怖い時、寂い時、痛い時、眠い時、不安な時、どれもお母さんに抱っこされておっぱいを貰うことでまた困難に立ち向かうことができるのです。
そうして立ち向かっていくうちに強くなり、そのうち自分一人で立ち向かうことができるようになっていきます。
ゲームでいうなら、断乳は得られる経験値を減少させてしまうようなものなのです。(それも大量に)
今私はドラクエ10にハマっていますが、これも最初は強い人に色んなところに連れて行ってもらっていました。
すると、次第に自分も強くなって、一人でも行動できるようになったのです。
かつては母子手帳にも断乳を勧める記載がありましたが、
今では母子手帳から断乳の記載は消えています。
また、よく「一歳を過ぎるとおっぱいをどんどん欲しがってしまってやめづらくなる」という言葉を聞くのですが、ではそもそもなぜ一歳を過ぎるとおっぱいに執着するのでしょうか?
それは、心の栄養をより欲するようになるからです。
赤ちゃん時代より多感になり、不安を覚えることが多くなるからです。
だから授乳回数がやたら増えたりするわけですね。
「大きくなるとおっぱいやめにくくなるから早く断乳したほうがいいよ」と先輩お母さんから新米のお母さんにアドバイスされる場面もよくあるようですが、これは間違いです。
1歳以上の授乳にも、心の栄養補給というちゃんとした意味があるんです。
ちなみに、WHO(世界保健機関)では2歳までは母乳を与えましょうと言っています。
つまり世界的に見ても、大人の都合でやめてしまう早期の断乳はあまりオススメできないものなのです。
だから医師や先輩母に言われても、まずは根掘り葉掘り聞いて、それでも断乳を勧めてくる理由をはっきりとさせるのが良いと思います。(卒乳的な意味で断乳をすすめる医師もいます)
千差万別の経験則はあまり役には立たないので、しっかりとした根拠を聞きましょうね。
「うちの子はこうだったのよ」と言われても「私の子とは違いますからねぇ」でオッケーです。
【断乳よりも卒乳】
無理におっぱいをやめさせてしまう断乳は、
子どものメンタル面であまりおすすめできないことがわかりました。
とはいえ、仕事の都合などでいつまでもおっぱいをあげてはいられない人もいるでしょう。
そんな時は断乳ではなく卒乳を考えてあげてください。
断乳とは、『授乳を断つこと』を意味します。
それに対して卒乳は、『授乳を終えること』を意味します。
断乳は大人の都合で期限を決めて断つものですが、卒乳は子どもと相談して終えるものです。
つまり、『いついつまでにおっぱいをやめようと思うんだけど、いいかな?』と子どもと相談しながらやめる日を決めるということです。
言葉がまだ話せない子供でも、こちらの言っていることはわかります。
大事なのは、大人だけで決めるのではなくそこに子どもも介入させるということなのです。
子どもが納得した上でやめるのであれば、子どもは自分の意思でやめたことになり、ストレスは軽減されます。
これは脳科学的にも言えることですが、人間は自分の意思で決めたことにはストレスを覚えづらい生き物です。
逆に、人に決められたことにはストレスを覚えてしまいます。
そのため、何事も一方的に決めるようなことはしない方がよさそうですね。
急いで働きに出なくてはいけない…
のであっても、
そんなことは子どもにとってはどうでもいいことなのです。
幼い子どもにとって、親といる時間より大事なものはありませんからね。
今からでもできることは沢山ありますから、是非子ども第一で行動してあげてほしいところです。
【卒乳はどうやったらできる?】
多くの赤ちゃんの卒乳時期は、
おっぱいを吸う欲求が消える9ヶ月から3歳までの間に起こると言われています。
しかし、これには個人差があります。
そのため『こうやったら誰でも卒乳できる』という方法はありません。
しかし赤ちゃんが次のような様子であれば、卒乳は近いでしょう。
●1人で歩ける
●1日3回の離乳食を食べていて、栄養が充分摂れている
●母親の言っていることが分かる
●水分補給ができている
など、赤ちゃんがこのような状態であれば卒乳を考えてもいいかもしれません。
このタイミングで「おっぱいやめる?」と本人に聞いてみるのも良いですね。
もう会話ができる月齢であれば「うん」と言ってあっさりやめる子も多いようです。
しかし、逆に「まだ飲みたい!」となる子もいます。
先述した通り、体の成長に必要な栄養は食事で摂れていても、心の栄養がまだ足りていないからです。
この場合は『お母さんが大変でなければ』、自然卒乳を待ち続けるのも一つの手ですね。
ちなみに卒乳の明確な方法はありませんが、コツはあるようです。
それは、
◯先に子供に説明しておく
◯昼の授乳の時間は外に遊びに行く
◯一緒に定めた時間からやめていく
◯そもそもの母乳回数を減らしていく
◯周りの人と協力する
というものです。
先ほども書きましたが、子供は分かっていないようでお母さんの言葉を理解しています。
「あと◯日でおっぱい終わりね」とか、「この日になったらおっぱいバイバイね」とか、事前に伝えてあげてください。
また、まだ昼間授乳がある方はその飲んでいる時間に公園や楽しいところに行って忘れさせてしまうという方法も有効です。
さらに、お母さん一人で抱え込む必要は全くありません。(当たり前ですね)
お父さんに子どもといっぱい遊んでもらうのも一つの手です。
子供はそれぞれ全く違いますから、決まった答えはありません。
しかし、その子に合ったやり方というのは必ずあります。
根気強くその子に合った方法を見つけてみてください。
【終わりに】
と、いうことで様々な情報を紹介してきました。
とにかく子ども一人一人個性がありますから、卒乳にも答えはありません。
それぞれに合った方法で、子どもに無理をさせることなく卒乳ができるのが一番良いですね。
私は最も大事なのは、『自身で調べ、根拠を持って行動する』ということだと思いました。
卒乳も、子ども自身、そして親自身が納得して行動できれば、悪いことにはならないでしょう。
卒乳に限らず、何事もそうですね。
皆様の卒乳を応援しています。
それでは、くまっけJAPAN熊谷でした。
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※記事は充分に調べてから書いていますが、それでも「個人の見解です」と言っておきます。
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